私たちの生活にも影響する。外国人観光客増加で増える医療費未払い問題
2018.04.19
外国人観光客の医療費未払いが問題となっているというニュースがありました。
現在日本は、オリンピックに向けて観光に力を入れて行く政策を打ち出しています。
しかし、外国人観光客が増えるほど、医療費の未払いが増加してしまう可能性が高くなります。
そうなると病院の経営にも影響を与え、私たちの生活にも関わる大きな問題となります。
外国人観光客の医療費未払い問題
厚生労働省が2016年にした調査によると、病院の約35%が外国人患者の未払いを経験していると答えたそうです。
実は日本には医師法で応召義務があるため、日本人でも外国人でも怪我や病気で病院に来たら診療をしなければいけないという決まりがあります。
この決まりは日本では当たり前のことですが、外国では前払い制等でお金がなければ診察を受けられないということもあります。
私たちにとってはとても便利なサービスですが、その裏では未払いなどの問題を生んでしまうものでもあります。
また未払いが発生してしまう他の原因として、外国人は全て実費で支払わなければいけないことや、外国人の受け入れ体制の整っている医療機関が少ないことが挙げられます。
医療機関の体制については、政府や民間の企業がサービスを整えているところです。
医療費に関しては、怪我や病気の処置によって高額になることもあります。
これは日本人が外国に行って、医療機関を受診した場合も同じことです。それに備えるためにあるのが「海外旅行保険」です。
旅行に役立つ海外旅行保険について
現在では外国人観光客向けに日本に入国する際に加入できる保険も登場しています。
ある調査によると日本人の7割は海外旅行に行く前に海外旅行保険に加入するそうです。
日本人の場合、海外旅行保険付帯のクレジットカードもあるので、それを含めると加入率はもっと高くなるかもしれません。
それに対して、外国人の加入率は3割程度となっていて、保険加入率はかなり低いと言えます。
他の国ならばお金がなければ受診できないこともありますが、日本では医療機関が被害を受けることが多いため、必要性を訴えるのも難しいのかもしれません。
これを改善するために、「海外旅行保険の義務化」という方法が挙げられています。
調べてみると海外旅行保険への加入が義務化または望ましいとされている国がいくつもありました。
具体的な国名を挙げると、チェコやポーランドは義務化されていて、フランスやドイツなどは加入が望ましいとされています。
医療費の問題では海外旅行保険の活用が有効とされていますが、これは日本人が外国に行く際にも言えることです。
保険は万が一の時に助けてくれる存在です。自分のためにも、そして他人に迷惑をかけないためにもしっかりと備えておきたいものですね。
(以下はニュース記事からの抜粋です)
[訪日客の医療対策]通訳生かし未払い防げ
日本を訪れる外国人観光客が増加するのに伴い、けがや病気で治療を受けたにもかかわらず、医療費を支払わないまま帰国するケースが目立っている。
外国人観光客の医療対策は新たに直面する課題だ。
厚生労働省が2016年に実施した実態調査によると、回答した1378医療機関の35・3%が外国人患者の医療費の未払いを経験している。
沖縄県医師会の17年の調査でも、医療費の支払いに応じない外国人観光客は5病院で21件、計827万円に上った。急性大動脈解離の患者からは512万円が未回収である。
「観光立国」を掲げ、外国人観光客が日本の医療機関で安心して受診してもらうための整備は待ったなしである。