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日新火災が個人火災保険でマンションの管理状況に応じた割引を導入

2017.07.13

日新火災海上保険は、個人向け火災保険でマンションの管理状況に応じた割引を導入します。
同社が業務提携をしている「一般社団法人日本マンション管理士連合会」が無料で行うマンション管理適正化診断サービスでS評価を得た場合、保険料が5%割り引かれます。

管理状況がよければ専有部分にまで割引が適用される初の仕組み

マンションには、共有部分と専有部分があります。
共有部分についてはマンションの住人からなる管理組合が管理をし、ほとんどの場合は管理会社に全ての管理を委託しているでしょうが、予算等の関係から住民が自主管理をするマンションもありますね。
共有部分の火災保険は、このマンション管理組合が契約者となって加入します。

今回、日新火災海上保険が管理状況に応じた割引を導入するのは個人向け火災保険。住人が個々で加入する専有部分に関する火災保険です。
共有部分に関しては管理状況に応じて保険料の割引が適用されるのは理解できます。適切に管理がされていてしっかりとメンテナンスがなされていたら、水漏れ等の保険事故が未然に防げるのでしょう。

一方専有部分に関しては、共有部分と異なり個々の住民が管理をするので、マンションの管理状況とはあまり関係がないように思えます。
「マンションの管理状況が良い = 住民の意識が高いので専有部分に関してもよく管理をがされている」傾向にあるかもしれませんが、全員が意識が高いということは無いようにも感じます。

専有部分にまで割引を導入することについて保険会社にとってメリットはあるのでしょうか。

価格競争が続く火災保険。今回の割引導入で契約数増を狙う日新火災。

火災保険は2015年より、これまで35年間まで設定できた長期割引期間が最長10年間までの契約となり、実質的に値上げとなりました。昨今は自然災害も多いですから、火災保険は今後も値上げが続く可能性が大きいです。
そのような状況ですから、契約者は少しでも割引が適用される火災保険を探しており、火災保険の価格競争は以前より増しているでしょう(もちろん保険は安さが全てではありませんが…)。

新たな割引要素を導入することで、日新火災海上が火災保険の契約数増に注力してくることが予想されますね。
マンション管理適正化診断サービスは無料で利用できるので、気軽に利用してもらうことができます。そこで管理状況が良く割引が適用されることとなれば、管理組合はもちろん個々の住人も火災保険の切り替えのきっかけとなるでしょう。

より良い住環境を住民たち自らで作る仕組み

メリットは契約数が増える保険会社だけではありません。
割引が適用される管理状況の良いマンションの住人は、割引の適用が続くようマンションの管理状況を意識し続けるでしょう。

管理状況の良くないマンションの住人にとっては、この割引導入を目指してマンション管理に関して意識をし始めるきっかけにもなりえます。

マンションの管理状況が改善されれば、火災保険料も安くなるだけでなく、共有部分も快適になり良いことだらけです。マンション管理に関する意識が向上され診断サービス利用者が増えれば日管連にとっても喜ばしいことですね。
三方良しのとても良い仕組みだと思います。

参考ページ

日新火災の火災保険「住自在」の評価ページ
住宅ローンを利用している人専用の保険ですが、一つ一つの補償内容が手厚く、そのなかで自由に設計ができるのが強み。
東京海上のグループ会社ゆえに、一見選ぶ理由を見出しづらいが実は隠れた名保険を持っている。

(以下は日新火災保険社のプレスリリースより)

日新火災海上、個人向け火災保険「住宅安心保険」と「住自在(すまいの保険)」にマンション管理状況に応じた割引を導入

 日新火災海上保険株式会社(社長:村島 雅人、以下「弊社」)は、個人向け火災保険「住宅安心保険」および「住自在(すまいの保険)」に、業界初(*1)となるマンションの管理状況に応じた割引「S評価割引」を新たに導入します。

 弊社が業務提携する一般社団法人日本マンション管理士会連合会(以下、「日管連」)では、マンション管理の質を高めることを目的に「マンション管理適正化診断サービス(*2)」を無料で実施しています。管理組合の活動状況などマンションの管理状況全般を診断し、診断結果は「S・A・B」の評価を付した診断レポートとして管理組合に提供しています。

 弊社は、適切な管理が行われているマンションにはより割安な保険料で商品をご提供したいと考え、「マンション管理適正化診断サービス」の結果、最も高い「S」評価を獲得したマンションにおいて、区分所有者の方が専有部分(建物)の保険契約をご契約する場合に保険料が5%割引となる「S評価割引」を新たに導入します。

 日新火災では、今後も保険商品の販売を通じて、マンションの住環境の維持・向上に貢献していきます。

●「S評価割引」の概要

 ・割引内容:「マンション管理適正化診断サービス」の結果、最も高い「S」評価を獲得したマンションにおいて、区分所有者の方が専有部分(建物)の保険契約をご契約する場合、保険料が5%割引になります。

 ・対象商品:「住宅安心保険」および「住自在(すまいの保険)」

 ・対象契約:保険期間の開始日が2018年1月1日以降のご契約から

 (*1)2017年6月弊社調べ

 (*2)「マンション管理適正化診断サービス」

 本サービスでは実際の管理状況を診断するだけでなく、今後の“管理の質”の向上に向けた改善点などを記載した「共用部分診断レポート」を管理組合に提供しています。また、当社のマンション管理組合向け火災保険「マンションドクター火災保険(*3)」では、全件、事前に本サービスによる診断を行っています。

 (*3)「マンションドクター火災保険」

 マンション共用部分を取り巻くリスクを総合的に補償する、管理組合向けの火災保険です。日管連が実施する「マンション管理適正化診断サービス」の診断結果に応じて保険料が決まるため、診断結果が良好な場合は、本商品に割安な保険料でご加入いただくことができます。


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