水災保険の保険料が細分化。水災リスクの高い地域は大幅な保険料アップの恐れ。
2021.06.30
損害保険料算出機構が、全国で一律となっている水災に対する保険料について、地域ごとに格差をつける案を検討していることが分かりました。
昨今の大規模な自然災害の影響により、損害保険各社は、火災保険金の支払いが増加傾向にあります。
それに伴って火災保険料も値上げが年々続いていますが、こうも値上げが続くと家計にも打撃を与えることになり、火災保険に加入する世帯が減る恐れも出てきます。
値上げが避けられない中、少しでも値上げに歯止めをかけることが、この地域別の水災保険料の導入検討の目的です。
水災保険料は全国同じの現状
現在、水災に備える保険料部分は全国一律となっていますが、水災のリスクは地盤や河川の大小などにより大きく異なります。
地域によっては過去に一度も水災被害にあったことのない場所もあるでしょうし、反対に毎年のように水災被害に見舞われる地域もあります。
保険は本来、リスクに見合った保険料にするもの
リスクに地域差がある水災について、従来は同じ保険料だったということですが、保険とはリスクに見合った保険料を設定するものです。
水災保険料を地域別にすることは、リスクに見合った保険料を設定することなので、それがあるべき姿だと思います。
ただ一方で、水災被害の多い地域は保険料が従来より大幅に高くなる可能性もあり、保険料があまりに高くなりすぎると「火災保険料の値上げに歯止めをかける」という目的に反することにもなりかねません。
リスクに見合った保険料設定をすることはもちろんですが、保険が持つ相互扶助の仕組みとのバランスをどう取るかが難しい問題と言えます。